口腔外科について 震災救護訓練に行ってきました

先日、近所の南大野小学校で行われた災害時救護訓練に参加しました。大規模震災時には医師、歯科医師、薬剤師、柔道整復士、看護士、消防関係者、ボランティアの方々が参集し、受傷された方々の救護活動を行うことになります。去年の震災時には関東地方においても電話不通や停電、電車などの交通インフラが即時麻痺し、自動車の燃料も手に入らない状況に陥りました。このようなことになったとしても徒歩ですぐ駆けつけることができる近所の医療関係者が救護所に集まり医療活動を行うことになっています。

小学校校舎に重症、中症、軽症、各治療室を設定し各担当者が連携し救護シュミレーションを行いました。救護所を訪れた傷病者は最初にトリアージ(重傷度の選別)を受けたのち治療室が決定されます。そして各部屋に控えている医療スタッフの救護(応急的治療)を受けることになります。訓練では、擬似的な患者さんが次々に「火傷した、痛いー、なんとかかしてくれー」「階段から落ちて前歯が吹っ飛んだー」「顎からの血が止まらないー」など本番さながらに訪れてきました。足や手の骨折ならば医師、口腔内の症状は歯科医、頭頚部にかかわる怪我は医師と歯科医が臨機応変に連携し、関節脱臼や捻挫と思われる症状は柔道整復士や医師が、というようにそれぞれ対応可能なスタッフが救護するのです。災害による受傷ではなく「虫歯が痛いー」と駆け込んでくる擬似患者さんもおられましたが、通院中の歯科診療所が地震によって機能できなくなった場合はこのような受診ケースも十分考えられるでしょう。ただし、この救護所は怪我をした人の「人命救助と応急処置」を行い、症状によっては災害救護拠点病院である北里病院等へ緊急搬送するため簡易的に設置されるものですので、痛みを和らげることは可能かもしれませんが症状を完治させることはできません。また、そのための設備は持っていません。

応急処置を行った後、病院搬送または機能している個人医療機関に治療を引き継いでいただくことになります。自衛隊や、DMATといわれる厚生労働省が発足させた災害派遣医療チームが災害時にはかなり早い段階で被災地に派遣されることになっていますが、やはり震災直後に近所の救護所に徒歩で駆けつける地元医師のほうが現場到着が早いわけですので、そこで救護に携わる人たちの初期医療の役割や責任は非常に大きいものになると思われます。参加して感じたことは、これは非常に画期的な災害対策であるとともに、必ずしも救急や外科専門ではない救護スタッフが医療設備がない場所でどこまで診断し医療的対応できるのか、救護を行う場所は病院ではなく小学校ですので瀕死の重傷者救護に関する諸問題は依然残るように思います。災害対策を主導する行政は医療器材や材料のさらなる拡充や救護の結果にまつわる責任の所在をもっと明確にしておくことが望まれるでしょう。

阪神淡路大震災や中越地震、東日本大震災という大きな災害を経験している日本ですが、被災地域以外に住んでいる方、また医療関係者にとっても震災時の医療活動の統率がいったいどのようになるのか明確なイメージを抱けないのが実情であろうと思います。机上で活動内容がフローチャート化され整備されているとしてもそれが正解であるか否かを見出すことは実際に災害を経験しなければ分からず、試行錯誤、トライ&エラーするほかありません。しかし地域住民に震災時の基本行動や避難対策、そして救護所の設置場所などが充分に周知なされていなければ混乱必至になると思われ、その部分においては今後も市の震災対策情報拡充に期待するほかありません。かつての阪神淡路大震災では、もし初期医療を含む災害対策が事前に行われていたら避けられたはずである「災害死」が500名ほど存在したとのことです・・・

余談ですが、今回ご一緒に訓練した”木村医院”の篠原先生(みるるクリニック院長)は私と大学時代同期の先生です。寮時代は部屋が2つ隣りだったので、柔道部の練習が大変でさー、とか当時はよく世間話?をしていたのを思い出します。大変良い先生で、私も診ていただいたことがあります。訓練お疲れ様でした。

photo by: SurfaceWarriors

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