二人三脚よ永遠に

二人三脚よ永遠に
Creative Commons License photo credit: dental ben

現在、治療はだいぶポピュラーになってきました。もはやインプラント治療を受けたらなんでも噛めるようになるのは当たり前、という時代に突入していると思われます。どのようにインプラントによって噛める環境を構築するのか、その方法論に関しては熟した感があります。またインプラント関連メーカー側の開発技術向上も目覚しく、よほどのことでもない限りはインプラント治療直後の失敗などのトラブルは起きにくいと思われます。

先日、インプラント勉強会に出席しましたが、そのときの演題内容もインプラント埋入や骨再生の方法論という外科的なものではなく、インプラントのリカバリーについての議論が主でした。
いまや国内では自分も含め、多くの歯医者さんがインプラント治療に着手しています。日々、沢山のインプラントが患者さんに植えられ、患者さんの笑顔も増えていきます。しかしインプラントは虫歯にはなりませんがに注意しなければなりません。
歯周病にならなくとも骨吸収は少しずつ進みます。仮に、年に0.1ミリほど骨が下がるとすると、20年後には2ミリ骨が下がることになります。このときにインプラントの重要な粗造面の露出部分についてどのように対処するのかが問題になるわけです。
骨吸収の程度にもよりますが、高齢になられた患者さんに再度外科的にインプラントの植え直しをするのか、インプラント露出面の局所的リペアを行うのか、はたまた撤去して入れ歯に変更するのか・・。担当医はその処置選択を患者さんの身体的状況を鑑みて処置選択を行うことになります。今後はそのようなケースが全国的に増えていくのだろうと思います。当院においても、インプラントのリカバリー法、その術式について研鑽し、それと同時に、高齢になるにつれて変化していく患者さんの全身的既往にマッチした方法がとれるよう、より研究していかなければならないと考えております。
また、先日の講演会にて寺西邦彦先生と少々お話をする機会があり、インプラントリカバリーについてご意見を伺いましたが、やはり今後増えていくであろうリカバリー症例をいかに解決していくか、また、QOL維持とともにリカバリーの変法として応用できるインプラント・オーバーデンチャー(インプラントによる総入れ歯の固定)のケースが移行的に増えていくだろうとも仰っていました。

私としても、途中経過は良くとも最終的には患者さんを落胆させてしまう、というような状況は決して作りたくありません。しかし患者さんと医師の協力関係も二人三脚がうまく機能しなければなりません。インプラントを良い状態で長期間維持するための日頃のメンテナンスが良好ならば、いざという時のリカバリーも簡便処置で済む場合があります。二人三脚を大切に・・・

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