エア・コンディショナーについて

今年の夏も節電を行っていきます。このたび当院では業務用大型エアコンを全て廃止し、省電力型エアコンへ切り替えることにいたしました。昨年はエアコンをほとんど使用せず、夏は扇風機、冬はストーブで対応してみましたが、さほど室温管理に不都合を生じることがなかったため、設備の省電力化をより進めていくことを考えています。

医療機関は体調不良の人々が多く訪れる場所ですから、室温を適温に保つことは非常に重要であります。冬はエアコンにかわる暖房機器がいくつか存在しますが、夏はやはりエアコンがなければかなり厳しい状況でしょう。まだエアコンという装置がなかった昔、病院内の温度については多くの医師にとって悩みの種であったと思われます。ですから、実は初期のエアコンの発明は医師が行っていたりします。

200年近く昔に、アンモニアを圧縮して液化し、それが蒸発する際に周囲の空気を冷却することができることを有名な発明家、ファラデーが発見しました。その後、1842年にフロリダの医師ジョン・ゴリーはその圧縮技術を使って氷を作り
彼の病院でそれを使って患者のために病室を冷やしたのです。

発想は原始的ですが、現在では当たり前と考えられている「人間の為の」エアコンのルーツが医療分野から端を発しているということに感慨深いものがあります。もともと当初は、もっぱら工業生産の精度や効率を上げることを重要な目的として「空気を冷やす」研究が行われていて、つまり当時のエアコン利用というものは人間のQOLを向上させるということを本来の目的にしていなかったのです。しかし皮肉にも「病」がテクノロジーを人間に向けさせることになり、そして空調技術が家庭汎用として進化していったわけですね。

どこに行っても今では当たり前のようにエアコンが設置されていますが、今後はどうのように進化していくのでしょうか。何事も便利を追求していくうちに、なにかしら思いもよらぬ副作用が起きることがありますが、どのような事が起きると想定外の事象に繋がるのか、日常的に「想定」しておくことも必要なのでしょう・・・

コメントをどうぞ

コメントを残すには ログイン して下さい。

 Baseball Jerseys Cheap